モチベーショングラフ(ライフラインチャート)は、これまでの人生の「やる気の高さ」を1本の折れ線で描き、価値観・強み・避けたい環境を読み解く自己分析の手法です。文章を書くのが苦手でも、出来事を思い出して点を打つだけで進むため、自己分析の最初の一歩として最も取り組みやすいのが特長。この記事では、書き方を4ステップで解説し、描いたグラフをそのまま自己PR・ガクチカ・志望動機に活かす方法まで、記入例つきで紹介します。あわせて自己分析のやり方(6ステップ)もご覧ください。
モチベーショングラフとは?何がわかるのか
モチベーショングラフとは、横軸に時期(小学生〜現在)、縦軸にモチベーションの高低をとり、印象的な出来事をプロットして線でつないだグラフです。就活の自己分析では、この浮き沈みから次の3つを読み取ります。
- 価値観:モチベーションが上がった「山」に共通するもの=あなたが満たされる条件
- 強み:山の場面で発揮していた行動・役割=再現性のある強み
- 避けたい環境:下がった「谷」に共通するもの=ミスマッチのサイン
大切なのは「出来事そのもの」ではなく「なぜ上がった/下がったのか」という理由です。理由の中にこそ、ES・面接で語れる価値観と強みが眠っています。
準備するもの(3分でOK)
- 紙とペン、またはExcel・スプレッドシート(数値を入れると折れ線が自動で描けます)
- 小学生から今までを思い出す時間(完璧でなくてOK。まずは思い出せる範囲で)
- 「良かったこと」だけでなく「しんどかったこと」も書く心づもり
手を動かす前に枠が欲しい人は、記事末で配布している自己分析シートのモチベーショングラフ欄を使うと、数値を入れるだけでグラフになります。
モチベーショングラフの書き方【4ステップ】

① 軸を引く
横軸に時期(小学・中学・高校・大学…)、縦軸にモチベーションを+100〜−100(または+5〜−5)でとります。真ん中の0が「ふつう」。
② 出来事をプロットする
各時期で印象に残っている出来事を点で置きます。うれしかった出来事は上に、つらかった出来事は下に。1時期に複数あってもOK。
③ 点を線でつなぐ
時系列で点を結び、山と谷(浮き沈みのパターン)を作ります。線の形より、山・谷の位置が大事。
④ 各山・谷に「なぜ?」を書き添える
「なぜ上がった/下がったのか」を一言メモ。ここが分析の核心です。
各ステップのコツ
- 縦軸の単位は自由。数字が苦手なら「気持ちの高さ」を上下の位置だけで表してもOK。
- 出来事は「事実」で書く(例:文化祭の実行委員長/部活を引退/初めてのアルバイト)。感想はあとで足します。
- 谷を書くのを怖がらない。谷は「避けたい環境」を教えてくれる貴重な情報です。
▲ モチベーショングラフ記入例記入例で読み解く(3パターン)
同じグラフでも、人によって山・谷の理由は違います。代表的な3パターンで「出来事→理由→価値観・強み」の読み解き方を見てみましょう。
パターンA:部活・チーム型
- 山:文化祭の実行委員長で来場者数を伸ばした →「みんなを巻き込んで形にできた」→ 価値観=チームで達成/強み=巻き込み力
- 谷:単調な準備作業が続いた期間 →「変化がなく貢献実感がない」→ 避けたい環境=ルーティンだけの仕事
パターンB:アルバイト・改善型
- 山:バイト先で廃棄ロスを減らす仕込み表を提案した →「課題を見つけて改善できた」→ 価値観=改善・工夫/強み=課題発見力
- 谷:マニュアル通りに動くだけの時期 →「言われたことだけで面白くない」→ 避けたい環境=裁量のない現場
パターンC:受験・学業型
- 山:第一志望に合格 →「努力を続けて結果を出せた」→ 価値観=努力が報われること/強み=継続力
- 谷:模試の成績が落ちて自信を失った期間 →「結果が見えないと不安になる」→ 避けたい環境=評価が不透明な状況
山と谷から「価値観・強み・避けたい環境」を抜き出す

各山・谷の「なぜ?」を並べて、共通するテーマを探します。2回以上くり返し出てくるものは、再現性のある本物の強み・価値観です。

グラフから自己PR・ガクチカ・志望動機を作る(完成例文)
抜き出した価値観・強みは、そのまま選考の材料になります。ここではパターンA(価値観=チームで達成/強み=巻き込み力)を例に、3種類の文章に変換します。
自己PRの例文
私の強みは、周囲を巻き込んで目標を達成する力です。
文化祭実行委員として15名の役割を整理し、停滞していた準備を週次ミーティングで立て直して、来場者数を前年比130%に伸ばしました。
貴社でも、チームの力を引き出して成果に貢献したいと考えています。
ガクチカの例文
学生時代に最も力を入れたのは文化祭の実行委員です。
当初は担当ごとに動きがバラバラで準備が遅れていましたが、全体の進捗を1枚に可視化し、週次で共有する仕組みを導入しました。
結果として来場者数を過去最多に更新し、停滞を巻き込みで動かす力が身につきました。
志望動機の例文
私は「チームで大きな目標を達成できる環境」を軸に就職活動をしています。
貴社は少人数チームで裁量を持ってプロジェクトを進める文化があり、私が実行委員で感じた「仲間と成果を出す面白さ」を仕事でも実現できると考え、志望しました。
変換の型はいつも同じ。「価値観・強み → 裏づけるエピソード(数字入り)→ 入社後どう活かすか」の順につなぐだけです。
よくある失敗と改善策
- 良い出来事しか書かない → 谷にこそ価値観が出ます。つらかった時期も必ず入れる。
- 点を打って満足する →「なぜ?」を掘らないと自己分析になりません。各点に理由を一言。
- 線を綺麗に描こうとする → 見た目は不問。中身の理由がすべてです。
- 出来事が大きすぎる → 「部活」ではなく「引退試合で負けた」のように、場面まで具体化する。
- 1回で完成させようとする → 就活が進むと気づきが増えます。同じグラフを更新して育てましょう。
自分史・他己分析との使い分け
モチベーショングラフは「浮き沈みを線で可視化」する手法。もっと網羅的に経験を洗い出したいなら自分史、自分では気づけない強みを補いたいなら他己分析が有効です。おすすめは、まずモチベグラフで全体像をつかみ、気になる山・谷を自分史で深掘りし、最後に他人の視点で裏づける流れです。
よくある質問(FAQ)
Q. 何歳のことから書けばいい?
A. 小学校くらいからで十分です。期間の長さより、各出来事の「なぜ?」の深さが大事です。
Q. 点はいくつくらい打てばいい?
A. 各時期に1〜3個、全体で10〜15個が目安。多すぎたら印象の強いものに絞ります。
Q. 手書きとアプリ(Excel)どちらがいい?
A. 最初の発想は手書きが速く、清書・共有はExcelが便利。配布シートは数値を入れるとかんたんにグラフになります。
Q. 谷(つらかったこと)が思いつきません。
A. 「モチベが下がった」「やる気が出なかった」時期でOK。小さな停滞でも、避けたい環境のヒントになります。
Q. 転職でも使える?
A. 使えます。学生時代+社会人経験を並べると、キャリアの軸がより明確になります。
Q. 何がわかるの?
A. 山=満たされる価値観・強み、谷=避けたい環境。就活の軸・自己PR・志望動機の材料が一度に集まります。

